書籍のAmazon広告で利益が出ているかを知るには?
広告で得た読者がもたらす収益と、その読者を得るのにかかったクリック費用を比べます。読者は、購入すればロイヤリティを、Kindle Unlimitedで借りれば読んだページ分の収益を、さらにシリーズの他の巻に使った金額をもたらします。
それが読者1人を得るのにかかったクリック費用を上回っていれば、Amazonに表示されるACOSにかかわらず、広告で利益が出ています。
読者1人あたりの収益=購入者の割合×ロイヤリティ+読み放題利用者の割合×1回の利用あたりの収益+読者1人あたりのシリーズ収益
1冊売れるといくら?KDPのロイヤリティ
KDPは税抜きの希望小売価格をもとにロイヤリティを計算します。Amazon.comでは次の3つのケースがあります:
- 電子書籍(70%):70%×(希望小売価格−配信コスト)。配信コストは1MBあたり$0.15です。希望小売価格は$2.99〜$12.99である必要があり、2026年7月7日までは上限が$9.99でした。1MBの$4.99の電子書籍なら、0.70×4.84=$3.39です。
- 電子書籍(35%):35%×希望小売価格。配信コストはかかりません。$0.99の電子書籍なら$0.35です。
- ペーパーバック:$9.99以上なら60%×希望小売価格−印刷コスト、それ未満なら50%。300ページのモノクロのペーパーバックは印刷コストが$4.60なので、$14.99なら0.60×14.99−4.60=$4.39です。
Kindle Unlimitedの貸出1件あたりの収益
貸出は、実際に読まれたページ数に応じて、KDPが毎月決めるKENP単価で支払われます。計算式は「ページ数×読まれた割合×1ページあたりの単価」です。300ページの本が60%まで読まれ、単価が1ページ$0.0047なら、300×0.60×0.0047=$0.85になります。
単価は毎月変わります。米国では2026年上半期に、1ページあたり$0.0042から$0.0048まで動きました。貸出は通常、販売より収益が少なくなりますが、購入まではしなかった読者を呼び込めます。
1回の利用あたりの収益=KENPCページ数×読まれる割合×1ページあたりのKENP単価
書籍広告のACOSが実態より悪く見える理由
AmazonのACOSは、広告費を販売額だけで割った数値です。Kindle Unlimitedで読まれた分のロイヤリティはKENPロイヤリティとして別に計上され、シリーズの続巻の売上はまったく含まれません。そのためKindle Unlimitedに登録した本では、Amazonが表示するACOSは実際より悪く見えます。
つまり必要な損益分岐点は、Amazonが表示するACOSで見て、読者1人がもたらす収益の合計が、その読者の獲得コストをちょうどまかなう値です:
例:前述の$4.99の電子書籍が、半数は購入、半数は貸出で読まれると、読者1人あたり$2.12の収益になります。販売だけで数えると損益分岐はACOSが68%のときですが、貸出も含めると表示上のACOSが85%のときです。ACOSが75%のキャンペーンは赤字に見えて、実は利益が出ています。
損益分岐ACOS(報告ベース)=読者1人あたりの収益÷(購入者の割合×希望小売価格)×100
シリーズの読み進め:続巻の収益も含める
1巻を読み終えて2巻に進んだ読者は、そのロイヤリティももたらします。その読者を見つけたのは1巻の広告です。広告対象の本の読者1人あたり、シリーズの残りの巻が平均でいくら稼ぐかを加算してください。
この例で、読者の半数が、読者1人あたり$3.00の収益になる2巻に進むなら、読者1人あたり$1.50を加算します。表示上の損益分岐ACOSは85%から145%に上がります。
書籍の損益分岐クリック単価
読者1人あたりの収益に、1クリックあたりの獲得読者数を掛けます。読者1人あたり$2.12で、10クリックごとに1人の読者が得られるなら、元を取るにはクリック単価を$0.21未満に抑える必要があります。
数えるのは販売数ではなく読者数です。Amazonは、クリックから14日以内に読まれたページを、KENP既読ページ数として広告の成果に計上します。使うべき比率は「販売数と貸出数の合計÷クリック数」です。