結論:Amazonが誰に請求するかで、VATを負担する人が決まります。 クライアントの 広告主アカウントに請求される場合、AmazonはVAT込みでクライアントに請求し、あなたが 請求するのは自社の手数料だけです。あなたのマネージャーアカウントに請求される場合、 Amazonはあなたを購入者とみなします。広告の再請求は広告の販売にあたり、EUと英国では、 手数料だけでなく広告費を含む全額にVATを課します。どちらの場合も、 VATを控除できないクライアントは、結局VATを負担します。再請求はVATの行き先を変える だけで、なくしてはくれません。
クライアントのためにAmazon広告を運用する代理店、フリーランス、社内チーム向けの内容です。 根拠は、Amazonの契約書とヘルプページ、EUのVAT指令、英国歳入関税庁(HMRC)・ドイツ・スペインの 法令で、2026年10月に確認しました。これは情報提供であり、税務アドバイスではありません。 ご自身の設定は税理士にご確認ください。
2つの設定を一目で比較
| クライアントのアカウントに請求 | 自社のアカウントに請求 | |
|---|---|---|
| Amazonの請求先 | クライアント | 自社の代理店 |
| 自社の請求内容 | 手数料 | 広告費+手数料 |
| 自社のVAT対象 | 手数料 | 全額 |
Amazonの請求先はどう選ぶ?
マネージャーアカウントから広告主アカウントを作成するとき、Amazonは請求先を尋ねます。
- マネージャーアカウント:"if you're a reseller, agency, or partner acting in your own capacity"(リセラー、代理店、パートナーとして自社の立場で行動する場合)。広告費は 自社の請求プロファイルで支払います。
- 広告主アカウント:"if you're an advertiser or agency acting on behalf of the advertiser"(広告主、または広告主に代わって行動する代理店の場合)。クライアントの 請求情報を入力し、クライアントが請求書払いで支払います(この設定で使える支払い方法は 請求書払いのみです)。
支払う側の請求プロファイルが税を決めます。 Amazonは、その住所とVAT番号を "for tax calculation and generating commercial invoices"(税の計算と商業請求書の発行のため) に使います。そのため2つ目の設定では、クライアントのVAT番号をクライアントの請求 プロファイルに入力してください。入力しないと、Amazonは戻らない可能性のあるVATを上乗せします。
Amazonの契約書も、反対側から同じことを述べています。Amazonに自社宛ての請求を依頼する場合、 広告の購入にあたって**"as principal"**(本人として)行動することを保証します。
自社のアカウントに請求される場合:全額にVAT
EUでは、自己の名義で、ただし他者のためにサービスに関与する事業者は、"shall be deemed to have received and supplied those services himself"(自らそのサービスを受け、提供したものと みなされる)とされています(VAT指令第28条)。Amazonは代理店に広告を販売し、代理店は クライアントに広告を販売します。請求書は広告費+手数料で、その両方にVATがかかります。 英国(Notice 700、22.6節)、ドイツ(UStG第3条第11項)、スペイン(VAT法第11条Dos.15º)も 同じ立場です。
登録済みの代理店にとって、これは中立です。Amazonから請求されたVATは控除でき、クライアントも あなたの請求書のVATを控除できます。
広告費を立替金として、VATの対象外にできる?
Amazonがあなたに請求する場合はできません。 再請求した費用がVATの対象外になるのは、 クライアントの代理人として、クライアントの債務を支払った場合に限られます。
- EU:"expenditure incurred in the name and on behalf of the customer"(顧客の名義で、 顧客のために負担した支出)で、仮勘定で処理されたもの(第79条(c))。
- 英国:8つの条件をすべて満たす必要があり、その1つが "your client was responsible for paying the third party"(クライアントが第三者への支払い責任を負っていた)です (Notice 700、25.1.1節)。
- ドイツ:クライアントと供給者の間に直接の法律関係があること。供給者に自分で支払う 義務のある人は、単なる仲介者ではありません(UStAE 10.4)。
- スペイン:明示的な委任に基づき "en nombre y por cuenta del cliente"(顧客の名義と 計算で)支払った金額(第78条Tres.3º)。
マネージャーアカウントへの請求では、Amazonへの債務は自社のものなので、どれにも当てはまりません。 HMRCは、代理店が立替金として扱う費用の多くは、"should have formed part of the value of their invoice to the client"(クライアントへの請求額に含めるべきだった)と警告しています。
クライアントのアカウントに請求される場合:請求するのは手数料だけ
Amazonがクライアントに直接請求し、VATはクライアントの請求プロファイルに従います。 自社の請求書には手数料だけを載せます。
- 自国のクライアント:手数料に自国のVAT。
- 他のEU加盟国の事業者クライアント:請求書にVATはなし。クライアントが自分で 申告します(リバースチャージ、VAT指令第44条と第196条)。英国も事業者クライアントには 同じ扱いです(Notice 741A)。
- それ以外の国のクライアント:クライアントの国のルール。
例:月1万ユーロの広告、手数料1,500ユーロ、フランスのクライアント
フランスの代理店で、フランスのVATは20%。控除できるVATを差し引いた後に、クライアントが 毎月実際に支払う金額です。
| クライアント | クライアントに請求 | 代理店に請求 |
|---|---|---|
| 登録済みで控除できる | 11,500ユーロ | 11,500ユーロ |
| 控除できない | 13,800ユーロ | 13,800ユーロ |
- クライアントに請求:Amazonが10,000ユーロ+VAT 2,000ユーロ、手数料が1,500ユーロ+VAT 300ユーロ。
- 代理店に請求:請求書が11,500ユーロ+VAT 2,300ユーロ。
設定で変わるのは請求書の発行者であり、VATではありません。 控除できないクライアントは、 どちらの場合も毎月2,300ユーロのVAT、年間27,600ユーロを負担します。
代理店が別のEU加盟国にあっても変わりません。免税事業者制度を使うフランスの事業者が 別のEU加盟国からサービスを購入する場合、"doit payer la TVA, peu importe le montant" と "ne peut pas déduire la TVA"(VATを支払わなければならず、金額は問わない。VATは控除できない) とされています(Service-Public)。ドイツでは "Auch Kleinunternehmer … schulden die Steuer" (小規模事業者も納税義務を負う)です(UStAE 13b.1)。
クライアントが取り戻せるVATを払っているなら、教えてあげましょう
代理店のクライアントには、広告のVATを払っても取り戻せない人が多くいます。KDP著者、 Merch on Demandのデザイナー、VAT課税の基準額に届かない小規模な販売者などです。 複数の国では、登録する(または免税事業者制度から抜ける)ことで取り戻せます。 確認を手伝うことは、相手が覚えていてくれるアドバイスになります。
- 相手のプロフィールに合わせた無料の計算ツールを送ります: KDP著者、 Merch on Demandデザイナー、 FBA・FBM販売者(消費者向け)。 国と月間の広告費を選ぶだけです。
- 相手の国の記事を送ります。たとえば日本の消費税の記事: 日本のKDP著者、 日本のFBA・FBM販売者、 日本のMerch on Demandデザイナー。 計算ツールにも各国の記事へのリンクがあります。
- 判断は税理士に任せましょう。登録には義務が伴い、国によっては(スペインの著者など) 戻ってくるものが何もありません。
よくある質問
AmazonはクライアントのVAT番号を請求書に載せますか?
広告主アカウントに請求する場合、Amazonはあなたがクライアントのために入力した請求情報から 税を計算します。Amazonの指示どおり、そこにクライアントのVAT番号を入力してください。 "Make sure that you provide your VAT registration number"(VAT登録番号を必ず入力してください)とあります。
EU域外の代理店は、クライアントのVATを避けられますか?
いいえ。EUの事業者クライアントは、海外から購入したサービスのVATを自分で申告し(リバースチャージ、 第196条)、控除できなければ実際に負担します。
フランスのサパン法(Loi Sapin)で何か変わりますか?
変わるのは、Amazon.frで広告を出すフランスのクライアントだけです。 サパン法は、仲介者による広告枠の購入を、広告主の代理として、書面の委任契約のもとで、 広告主だけが支払い、販売者の請求書を広告主宛てにする場合に限って認めています (第20条・第21条)。2015年以降は、オンライン広告を含むすべての媒体が対象です。 広告がフランス企業の利益になり、主にフランスで受信される場合に適用されます(第27条)。 こうしたクライアントは、Amazonの請求先をその広告主アカウントにして、 1ページの委任契約を結びましょう。これで法律を守れるうえ、売上高は手数料だけになるので、 小さな代理店はVATの免税点を下回る期間が長くなります。Amazon.deやAmazon.comで 広告を出すフランスのクライアントと、フランス国外のクライアントは対象外です。
自社の広告にも当てはまりますか?
登録済みの代理店は、Amazonから請求された広告のVATを、他の事業者と同様に控除できます。 計算ツールの代理店プロフィールで、 お住まいの国のケースを確認できます。
出典
- Create a new Advertiser Account(2026年10月5日)、Understand billing and payment profiles(2026年1月12日)、Update billing details(2026年4月9日)、Amazon広告ヘルプ
- Amazon Advertising Agreement(2026年7月23日掲載)、4.C節 "Agency Relationships"、Amazon広告
- Council Directive 2006/112/EC、第28条、第44条、第79条、第196条、EUR-Lex
- VAT guide (VAT Notice 700)、22.6節と25.1.1節、HMRC
- VTAXPER38500: revenue risks associated with disbursements、HMRC
- VAT Notice 741A: place of supply of services、HMRC
- § 3 UStG、§ 10 UStG、UStAE 10.4、UStAE 13b.1、ドイツ
- Ley 37/1992 del Impuesto sobre el Valor Añadido、第11条と第78条、BOE、スペイン
- Franchise en base de TVA、Service-Public Entreprendre、フランス
- Loi n° 93-122 du 29 janvier 1993 (loi Sapin)、第20条・第21条・第27条、Légifrance、フランス
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